福知山公立大学
地域防災連続セミナー
今後の開催日程・内容は以下の通りです。
福知山 自主防災でつながる輪(和)! 京都府福知山市の市民有志が「自主防災」をキーワードにつながり、活動交流や研修を行っている「福知山自主防災ネットワーク」の公式情報発信ブログです。
仁張衛代表が開会あいさつを行い、仕事帰りの多数の参加への謝意。自身の避難所生活の経験から、水害の避難は比較的短期だが、地震では長期化し得ると指摘。「せっかく助かった命を失ってはならない」として、研修内容を各地域へ持ち帰るよう呼びかけた。
司会の足立幸恵副代表から進行説明。今回は質問・感想用紙を講演後に回収して質疑を行う形式。配布物はアンケートとチラシ類。情報保障のため会員3名が手話通訳に協力。

大規模化・頻発化・複合化。限られた情報での迅速な判断と、多機関・多職種の連携が鍵となる。「訓練でできないことは実践でもできない」とし、日頃の訓練が不可欠。
建物倒壊などによる直接死ではなく、避難生活での持病悪化や心身の負担による死亡。予防できる点が最大の特徴。阪神・淡路大震災(死者約6,344人中、関連死921人)は、耐震化、自助・共助の重視、DMAT、広域医療搬送、災害拠点病院制度の原点となった。東日本大震災の関連死は3,794人、熊本地震は直接死50人に対し関連死221人、能登半島地震では直接死594人に対し災害関連死が364人と、死者の約6割が関連死。関連死が直接死を上回る例は少なくなく、大きな課題となっている。
発生は発災後1か月以内に集中し、早期対応が重要。予防策は、食料・水・常備薬・歯磨きセットなどの備え、マスク着用、こまめな水分補給、適度な運動、バランスのよい食事、心のケア。
保健所に保健医療福祉調整本部を設置し、保健師、精神ケア(DPAT)、栄養士、リハビリ等の支援チーム派遣を調整。車中泊者も健康観察の対象。丹後での訓練では遠隔診療車を避難所で活用。福知山市では京都大学防災研究所の教授を座長とする検討会を約1年半実施。10月末に市の防災訓練を予定。
農林水産省の資料に基づき、最低3日〜1週間分が目安。水は1人1日3リットル。普段の食品を多めに買い、使った分を補う「ローリングストック」を推奨。たんぱく質とビタミン(根菜、玉ねぎ等)を意識し、冬場は温かい食事のためカセットコンロ等の熱源を確保。
法改正で個別避難計画の作成が努力義務化されたが、全国的には作成が遅れている。福知山市は人口約7万5千人に対し名簿登載者約3,000人、個別計画対象者約300人分がほぼ完成。移送・生活支援のサポーター制度も備え、全国でも先進的。
今後の課題は、夜間・豪雨・通信途絶・複合災害など想定外の条件を加えた多様な訓練。さらに、身体面に加え社会的(独居等)、地域的(浸水深、避難所までの距離)、交通手段の脆弱性を数値化すれば、重点支援地域が明確になる。大学等との共同研究で推進したい意向。
他に、高齢化による近所の情報共有の難しさ、過疎地域の避難所整備などの感想を紹介。玄米食の質問には、脚気とビタミン不足の歴史を交えて栄養面の有用性を説明。
冒頭、第2部司会の大西勝己事務局長から福知山市の「3日間は自力で生き抜く」方針と団体ニュース第16号を紹介。意見交換により出された主な意見は以下の通り。
最後に司会者がまとめ。市の名簿の3,000人は実態より少ないとの見方を示し、行政職員も被災する以上、公助には限界があると指摘。助けの7〜9割を担う地域の共助の重要性を改めて強調し、聴覚障害者との連携にも言及。
10月16日(金) 18:00 市民交流プラザ
11月12日(木)午後7時 市民交流プラザ3F交流スペース
福知山自主防災ネットワークの今年度年間研修テーマ「大規模災害に備える」に沿い、今回は直近の大規模災害の検証と私たちの備えを改めて問う。
熊本地震の発災直後に現地調査を行った公立大学の大門准教授が、現地の状況と福知山市民の備えについて講演。
直近の千葉県の水害を踏まえ、市危機管理室が水害への備えと発生時の行動を解説。
いずれも市民向け内容のため、多数の市民参加を呼びかける。
新たに事務局に加わった内記1丁目の桐村正博自治会長が閉会の挨拶。行政・医療関係者の尽力を知り心強いとの感想。1人だけの組があるなど共助の難しい現状にも触れ、組単位の活性化と共助の輪の拡大を呼びかけて閉会。
京都府は被害想定の見直しに合わせ、災害に備えた備蓄の基準も見直した。それを受け、福知山市でも新たな備蓄計画が考えられている。
福知山市備蓄計画
以上の被害想定や公的備蓄計画の状況を踏まえ、福知山自主防災ネットワーク事務局は大規模災害に備える上で重要と思われる7つの課題を提起した。
◇寝室の安全確保: 倒れやすい家具の固定はもちろん、夜間の被災に備えて枕元にスリッパと懐中電灯を置くといった、今日からできる一歩が命を分けると強調された。
災害発生時の大きな課題の1つに自力避難困難者に対する避難支援の課題がある。地域には、高齢者や乳幼児・子ども、障害のある方、外国人の方など、災害発生時に自力で避難所へ行くことが困難な方がいる。このような自助による避難が困難な方に対しては、共助(地域)と公助(行政等)による避難支援が考えられている。

福知山市においては公助による避難支援として、「災害リスクや心身の機能レベル等を考慮し、共助の支援では避難が困難な要支援者」を約300人選定し、市が中心となり個別避難支援計画を作成している。その300人以外に福知山市の「避難行動要支援者名簿」に約3000人が登録されていて、共助による避難支援が期待されている。その他に地域にはその名簿に登録されていない避難支援者がさらに多くいるのが実態。
今回は、「重度の避難困難者」として公助による避難支援が認定された方について、福祉避難所への移送とそこでの避難生活支援について研修した。
以上のようなシステムが考えられている。

地域の取組事例として、昭和学区自治会長会の活動報告が行われた。昭和学区は、人口1万人を超える市内で最も人口の多い行政区である。
昨年11月末に初の「防災フェスタ」が開催された。昭和小学校を会場に、福知山市危機管理室・健康福祉部・こども家庭部、福知山消防署、福知山市社会福祉協議会、福知山市消防団中央分団、防災備品専門業者、防災士、キッチンカー、屋台出店など、多くの団体・組織・個人の協力を得て多彩な企画が展開された。
特に、福知山市危機管理室と昭和小学校からは企画段階から多大な支援を得、1年がかりで準備した。当日の参加者は全体で380名、当日のスタッフを兼ね多くの自治会役員の参加も実現させた。
起震車体験や防災グッズの抽選会を通じて、楽しみながら防災知識と意識を高める工夫がなされていた。
また、昭和学区では、夏の熱中症、冬の住宅火災やヒートショックを災害と位置づけ、毎年啓発活動(リーフレットの各戸配布)に取り組んでいる。また、健康長寿をめざし筋力トレーニングや認知症予防に役立つ冊子の配布も行っている。
この取組には、普段から健康づくりに取り組むことが、災害時に自力で動ける身体を作り、避難生活のストレスに耐えうる力を育むことにつながるとの考えが反映されている。以上のように、この発表のサブテーマである「災害への対応力は、知識、つながり、そして健康づくりから」に沿い、詳しい報告がなされた。
時間の制約があったものの、「避難所に十分な備蓄はあるのか」「断層の活動履歴はどうなっているのか」といった熱心な質問が飛び交い、参加者の関心の高さが伺えた。 そのことは、アンケートの記述によっても確認できる。
福知山市危機管理監・川口富生様の講評、そして福知山市自主防災ネットワーク豊島建治副代表の閉会あいさつにより、今回の第10回公開研修会の成功を確信することができた。
大規模災害を前に、私たち一人ひとりができることは小さく見えるかもしれないが、家庭での備蓄(自助)、そして隣近所との声掛けや助け合い(共助)を積み重ねることで、福知山市民の防災力は確実に高まっていく。地域の防災力をさらに高める上で、この研修会で得た知識をさらに多くの人と共有することが重要である。