2023-10-01

福知山自主防災ネットワーク 会員研修会実施報告

福知山自主防災ネットワーク
令和5年度 会員・相談役等研修会

2023年9月29日(金)18:30~20:30
福知山市防災センター研修室

参加者44名(会員、相談役議員、行政関係者他)

※福知山市危機管理室・地域包括ケア推進課・障害者福祉課・消防署・公立大学から15名が参加

福知山自主防災ネットワークは9月29(金)夜、令和5年度会員・相談役等研修会を福知山市防災センター2階研修室に於いて開催しました。
今回の研修会は、①地域自主防災組織の活動交流 ②障害のある方の災害時避難支援の課題を把握する ③第2回市民防災講座(11月12日開催)の取組計画を確認することを主な目的に開催されました。

開会時から手話通訳と要約筆記をお世話になりました。

開会あいさつ 

 福知山自主防災ネットワーク
 代表 仁張 衛


1 防災実技研修 避難所での緊急対応の方法
 講師 福知山消防署 稲垣 鎮 警防課担当課長
最初の30分間は、毎回恒例となった「防災実技研修」が福知山消防署の指導で行われました。
今回は、避難所での救急対応をテーマにした実技研修でした。
避難所は日常とは異なる特殊な環境になり、プライバシーへの配慮だけでなく感染症予防等への注意も必要になる。また、過ごす姿勢によっては、エコノミークラス症候群の心配や食べ物をのどに詰まらせ窒息する危険も増加する。そういう場合の緊急対応として ①腹部突き上げ法 及び ②AEDの使用についての注意点の説明と実技指導が行われました。
①の腹部突き上げ法については、男女別に2人1組となり、背後から手を伸ばして相手のおへその少し上をこぶしで突き上げる方法を練習しました。
②では、練習用のAED使って操作法を確認しましたが、実際の場では高電圧に注意し、人を遠ざけることが重要との話がありました。
この実技研修では毎回大切なことを丁寧に教えていただき、参加者の満足度はたいへん高くなっています。

2 自主防災活動の実践報告及び問題提起
(1) 佐賀地域・私市自治会の活動について
 私市自治会 大志万博会長
・年度末に防災訓練実施
  消火栓や消火器の使い方について
・役員任期の関係で防災訓練時期の見直しの必要
・防災マップを活用した訓練実施 組ごとに家庭内の人員確認など

(2) 聴覚障害者の災害時避難について
①難聴者協会 渡部泰之会長
・耳が聞こえなくなると人との関りが取りにくくなり、内にこもりがちになる。自尊心が低下する。
・避難所に行ったことがある難聴者を知らない。誰も行ったことがないようだ。孤立するのが不安なのかもしれない。
・難聴者はその場所の静けさ(やかましさ)に左右されるので、避難所で過ごすのは難しいかもしれない。
・家の外でスピーカーから流れる防災情報は聞こえない。FAXやスマホの文字情報は理解しやすい。
・避難所での情報伝達はどのようにされるのか。文字情報での伝達がありがたい。
・音声を文字認識してくれるアプリもあるので活用できればと思う。
・今後、難聴者の思いなどをじっくりと話せる場があれば嬉しい。

②聴覚障害者協会 古高春美会長
・生まれながら聞こえない、しゃべれない。
・放送では災害時の避難情報を得ることができないため、地域の自治会に要望しFAXでの情報伝達をしてもらっている。
・他の地域では、家族全員が聴覚障害者のため災害時の情報から全く取り残されている人もいる。
・避難所に行くと手話や筆談でコミュニケーションが取れないから孤立してしまいそうでためらいがある。
・避難所で紙媒体等による文字情報での伝達があれば安心できる。また、筆談で対応できる人がいれば安心なので、避難所での「筆談します」のビブス普及を希望する。

(3) 障害者支援の立場から

ふくちやま福祉会 桐村和伸理事長
・今回は災害時の障害者支援の課題について問題提起する。
・東日本大震災に於いて障害者は(健常者の)2倍の死亡率だった。災害による直接死亡だけでなく、その後の災害関連死も含んでいる。
・避難所から障害者消えた!障害者は避難所で過ごすことができなった。
・障害により災害時の困難さの種類に差異はあるが、総じて障害者は災害弱者になりやすいと言える。
・障害×急激な場面変化(情報の不足、避難行動、慣れない避難生活など)により適切な行動がとれないことで、また、身体的・精神的ストレスが重なることが死につながることがある。
・障害者の安全な避難行動については一般的なことに加えて、避難経路の確認や本人にとって必要な非常用持ち出し物の準備、誰と避難するのか、安心な避難生活を送れる環境などを話し合っておく必要がある。
・以上のような課題を解決していく道筋は、福知山市が昨年度、大江地域で先行実施された個別避難支援計画づくりの中に示されている。今後の他の地域への進展に期待している。


☆(感想)今回の報告・交流では、それぞれの立場から自主防災活動と災害時の避難支援などについて重い課題が示されました。参加した自主防災ネットワークの会員・相談役議員、行政関係者にとって今後の課題を把握する上での良い機会となりました。認識された具体的な課題をひとつずつ解決していくことが積み重なってこそ大きな進歩があるように思います。地域住民への情報伝達方法の工夫や配慮、避難所での文字情報による伝達など、すぐにでも手を付けられることもあるはずです。今日の研修成果として具体化したいものです。

3 第2回市民防災講座の取組について
 福知山自主防災ネットワーク
 事務局長 大西勝己


閉会挨拶 
 福知山自主防災ネットワーク
 副代表 高橋忠男